ゴールデンウィーク目前の週末。奥多摩周遊道路を気持ちよく流していると、突如メーターに見たくもない文字が躍り出た。
「(!)KTRC」と「(!)POWER」の交互点滅。
あぁ、またこれか。

実はこのアラート、今回が初めてじゃない。すでに過去2回経験しており、めでたくこれが3回目だ。 最初の時は、騙し騙し走っているうちにいつの間にか消えた。2回目の時はちょうど12ヶ月点検の時期だったから、Kawasakiプラザに丸投げした。
その際、一応プロに「これ、原因何なんですかね?」と聞いてみたのだが、返ってきたのは「原因不明っすね」という頼りない回答。おいおい、正規ディーラーだろ?
今回の3回目も含め、このトラブルには明確な共通点がある。 それは、「峠ツーリングの後半、いわゆる“下り”で発生する」ということだ。
気になってネットの海を漁ってみると、同じように「KTRCアラート」の洗礼を浴びている同胞がゴロゴロ出てくる。しかし、誰も明確な原因に辿り着いていない。 ……これ、カワサキ伝統の「ただのバグ」なんじゃないか?
ちなみに、ネットに転がっていた「アラートの消し方」がこれだ。
「エンジン始動 ➔ 一定時間アイドリング ➔ 40km/h以上で数分走行 ➔ 停止」を数回繰り返す。
いや、面倒くさすぎるだろ。儀式かよ。
そうは言っても、原因不明のまま放置するのはどうにもモヤモヤする。 というわけで、ディーラーがアテにならないなら自分で診るまで。愛車の脳ミソ(ECU)にOBD2診断機を繋いで、エラーログを直接ブチ抜いてやることにした。
今回の武器:格安OBD2診断機
用意したのは、コスパの良さ(要するに安さ)で定評のある「Autolink AL319」。 四輪ならこのまま挿せるが、バイクに繋ぐには変換アダプターが必要になる。我が愛車、Z900(2022年モデル)の場合は、ISO準拠の「赤色6Pカプラー」だ。


まずはAmazonの商品ページに書いてある怪しい日本語の手順通りに、AL319本体の日本語化をサクッと済ませる。

準備は整った。オペを開始する。

車体と診断機を接続し、イグニッションをON。
診断機にパッと電源が入る。この瞬間はちょっとガジェット好きとしてテンションが上がる。

画面をポチポチと進めていく。

- [OBDII/EOBD] ➔ [ENTER/Exit]
- [コードの読み込み] ➔ [ENTER/Exit]
- [コードを読み取ってます – 暫くお待ちください -]
……出た。
【P2227】 【$7E8】 【通用】 【BAROプレッシャ回路のレジ/性能不具・】
どうやら「BARO(大気圧センサー)」の異常を検知しているらしい。
……いや、待て。 メーターに出ていたのは「(!)KTRC」、つまりトラクションコントロールの警告だったはずだ。なぜ大気圧センサー? 気圧の変化で燃調が狂って、それがトラコンの制御エラーにまで波及したとでも言うのか?
まぁ、いい。理屈は後だ。とりあえず、視界に入るだけで鬱陶しいメーターのアラートを黙らせるのが先決だ。

- [コード消去] ➔ [ENTER/Exit]
- [DTCとフリーズフレームは失われます。続けますか?] ➔ [はい]
- [コードを消去しています – 暫くお待ちください -]
「DTCとフリーズフレームは失われます。/続けますか?」
一瞬躊躇するが、ここで迷ってもしょうがないので消去を選択。
ピピッ。

KTRC警告を消すことは出来た。
……しかし、本当にこれで良かったのだろうか? 根本的な原因(大気圧センサーの機嫌)は何も解決していない。 もしかしたら私は、愛車が発していた悲痛なSOSを、ただ上からガムテープで隠しただけなのかもしれない。
まぁ、普通に走るからいっか。しばらくは様子見だな。



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